シマダイさんの手銛

<2009/シマダイ手銛>

<テーパーソリッドシャフトの製作工程>

まずは本体作り。
径8ミリ長1800ミリのグラス棒に、内径8外径10長1800のカーボンパイプをかぶせ、さらにその上に内径10外径12長1800のカーボンパイプを重ねて、90分硬化型の接着剤で固めます。
その棒を、先端部から1000ミリまでを8-12のテーパー状に「人間旋盤術」で削り出します。
それにアラミドカーボンホースを被せてFRP樹脂で固めます。
下の写真の上は削る前の棒、下はアラミドカーボンホースを被せて樹脂で固めた後の写真です。
<外部の補強>

アラミドカーボンホースの樹脂が固まったら、その表面を「人間旋盤」できれいに削ってから、アラミドテープ(厚さ0.02ミリくらいしかない)できっちりと巻き、樹脂で固めます。
<完成シャフト>

アラミドテープが固まったら、表面のでこぼこを「人間旋盤」できれいに削り、その上にカーボンホースを被せて樹脂で固めます。表面がきっちりと固まったら、表面を人間旋盤で形成して本体のおおもとができあがり。
先端から1000ミリまでが10-14のテーパーで、そこから上部800ミリが径14ミリのストレート状に仕上げました。
写真の上がCHバージョンの手銛シャフトで、下が今回作ったものです。
<ソリッドシャフトの切断面>

前側のシャフトの断面写真もついでにお見せします。
先端部から根本まで、こんな感じで中身が詰まってます。
<今回使用した外部の補強材>

上から、アラミドホース、カーボンホース、アラミドテープの写真です。
<仕上がった手銛・前後金具>

安いキャバレーでうたうおネェちゃんの衣装みたいになってしまいました。
これは先端側と尻手側です。本体の根本径は10ミリです。
<仕上がった手銛・ジョイント金具>

こっちは接続側から撮った写真。
銀色巻いてエポキシで固めました。「矢島美容室」だったっけ? 彼らの衣装みたいでしょ。接続部は根本径14ミリです。接続金具は外径16ミリ内径14ミリのチタン合金です。

銛の前半部の固さは、NYKメタルで市販しているCHに近いですが、少しだけ柔らかい感じです。
柔らかいというか、粘りがある感じ。
SUSシャフトを取り付けないときの全体重量(滑り止めなどを取り付けた状態)は870グラムです。
僕の場合は重い銛が好きだから、今回の銛のSUSシャフトは7ミリのものと8ミリのものを用意しました。
7ミリのSUSシャフト50センチをつけると、銛の全重量は1キロちょっと。
8ミリのSUSシャフトをつけると1キロ50グラムくらいかな。
接続のジョイント金具はチタン製で、海士さんからのプレゼントです。
海士さん、ありがとう!
ちなみにチタン製の接続金具なら、銛が折れて変形した場合でも、熱を加えて取り外すと元通りの形に戻ります。軽いだけでなく、ものすごく丈夫ですし、変形しても元に戻ってくれる優れものであります。SUSシャフトを取り付ける先端金具と尻手金具は、当然、自作したものですよ。





<2008/シマダイ手銛>

<人間旋盤術>

まずは「人間旋盤術」で使う主な工具を紹介します。この写真を見て使い方が分かる人は相当にマニアックな人だと思います(笑)。ちなみに写真の真ん中に写ってる白い棒は、径12o長200pのグラス棒を削ってテーパーをつけたものです。
<シャフト本体のテーパー部>

一番上の白い棒がグラスそのまま、下の2本は、削ったグラス棒にアラミドホースとカーボンホースを被せてFRPで固め、その表面を研磨して寸法を出したものです。ちなみに一番下の棒は、グラス棒の径10o長180pにテーパーをつけ、それにアラミドとカーボンを3〜4層重ねてFRPで固めて作りました。グラス棒の先端部は6oか7oです。
カーボンとアラミドを重ねて固めて作ったシャフトは先端9o〜9.5oで作りました。
<シャフトスペック>
下はテーパー部の形成前と形成後の写真です。
一番上が14oカーボンパイプ。

今回は3通りの作り方をしました。
ひとつは削りだした12o径のグラス(テーパーつけたもの)にカーボンホースとアラミドホースを被せてFRPで固めただけのもの(先端9oストレート部14o)。
二つめは、10o径のグラス(テーパーつけたもの)にカーボンホースとアラミドホースを被せ、ストレート部に内径12外径14のカーボンパイプを被せて、さらにテーパー部との段差をカーボンホースなどで仕上げたもの(先端9oストレート部14o)。
3つめは、12oグラス(テーパーつけたもの)のストレート部に内径12外径14のカーボンパイプを被せ、テーパー部にアラミドホースとカーボンホースで補強してから段差の処理をしたもの。
<使用した材料>

使った材料はこちら。

グラス棒に被せたカーボンホースとアラミドホース、補強に使ったアラミド糸です。
<シャフトストレート部>

シャフトのストレート部はこんな感じです。
<2本繋ぎの後ろ側を作る>

2本継ぎの後ろ側はスキーストックと内径12外径14のカーボンパイプを使って作りました。今回の特徴は、スキーストック根本径12.7(内径9o)を使い、その根本を12oにまで削った上で内部を強固に補強し、その12oストレート部に内径10外径12のカーボンパイプを連結し(もちろん内部をしっかりと補強して)、それを内径12外径14のカーボンパイプに差し込んだ上に、段差部の補強をしっかりとして作り上げました。

まずはスキーストックの根本径を12oに削ったもの(内径9なので研磨部の肉厚は1.5o)
<スキーストックの補強>

中はこんな感じでカーボンをぴっちりと入れて補強。
<つなぎ目>

中をカーボンでぴっちりと補強したうえで、スキーストックと14oカーボンパイプとのつなぎめが破断しないようにアラミド糸で補強。
<つなぎ目の補強>

アラミド糸を巻いた部分の補強という意味と、12.7o部分と14o部分の段差を無くすという意味で、カーボンホースで補強。
<つなぎ目の研磨>

スキーストックと14oパイプのつなぎ目の研磨後。もちろん、研磨は「人間旋盤術」で。
<金具など>

先端金具と尻手金具は12oステン棒で作りました。つなぎ目金具は内径14外径16のチタン製で、これは海士さんからプレゼントされたもの。
私は同じサイズのステンレス製の接続金具をすでに作って持っていたのですが、海士さんはそれをもとにして、チタンで作ってくれたのです。
ちなみに同じサイズの金物であれば、断然、チタンで作った接続金具は軽いうえに丈夫です。今回も海士さんのご厚意に甘えて接続金具はチタン製です。海士さん、ありがとう!
<塗装後の姿>

2セットは仕上げて塗装しました。まだ金具をつけていない棒は、先端9oストレート部14o長180pの棒です。
<グリップ>

最近、僕はこのようなグリップを気に入っておりますので紹介します。
みなさんご存じの熱収縮ゴムを4p幅程度の帯状に切って、それを引っ張ると薄くなります。
その帯をぐるぐると5ミリほど重ねながら斜めに巻いていき、両端をしっかりと糸で固定したものです。
14o径部分に巻いても、重なった部分が15.5oほどにしかならず、段差があるので手に引っかかりやすいです。
とりあえずしばらくこれで使ってみてグリップの調子を見ようかと思ってます。
ちなみにすでに短くて細い(13o径)の銛に使っているのですが、使っている感想は、とても使いやすいです。
長い銛で強いゴムを引いたときの使い心地はどうでしょうかね? それも楽しみです。
<完成>

海は今日も大荒れ(涙)。刺身が食えません(涙)。

暇なので今年の新作を完成させました。
これでいつでも出撃OKです! っはぁぁぁ、潜りてぇ…

ガシラさんからいただいた袋にはこんな銛がおさまることになりました。

ありがとうございました。


以下は旧バージョンのご紹介ですが画像のみ、コメントは有りません。(笑)









シマダイ考案・通称シマダイフック シマダイ作・主に、440cを使用した銛頭






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