手銛塾

<梅田式銛頭の特性>

■このページでご紹介する銛頭は、私が長年造ってきた銛頭の、ほんの一部です。
先端チップとステンレスパイプの組み合わせは、国内初のハイブリットのさきがけです■

金物に精通するマニアが見れば、真似易い物ですが、当方の提供するノウハウは、
純粋に個人で楽しんでもらう為に公開しているもので、一部はショップで扱っています。 
よって、営利目的でコピーする事は、くれぐれもご遠慮願います。
1990年代には、諸先輩が旋盤加工によるハイブリッド銛先を造っていました。
私は、その知恵を応用して受け継いでおります。

■消耗品である銛頭やトップシャフトなどのメンテナンスは、ご自身の手で行って下さい。

材質は、ピアノ線&SUS304パイプ。
私が考案した旋盤に頼らない製作工程を、自作愛好者の為に、web上で公開したのが、このSUSシームレスパイプ式の複合型銛頭です。先端に硬度の高い7mmのピアノ線を採用し、パイプへ差し込む部分を削り、パイプと鋼材ごと横穴を加工して有ります。
外径7mm、内径5mm、1mm肉のSUSシームレスパイプと組み合わせた全長80mmの銛頭で、錆による離脱の弊害を無くす為に考案した、離脱性能の高い銛頭です。

材質は、焼入れしたSUS440c。
全長80mm、根魚キラーと命名した、その名の通り、根魚穴撃ちを可能としたSUS440Cの焼き入れタイプの丈夫な銛頭です。
更に、回遊魚まで視野に入れ、貫通性能を向上させる為、7mm外径を横穴部分から6mmに削り込んだ万能銛先です。

潰れにくい角度を考慮した削り込みが特徴ですが、不慮にして、潰れた時のメンテナンスも楽々です。初級者は、この銛先形状から始めるのが無難です。




材質は、SUS440c&SUS304パイプ。
全長85mm、先端部銛先に外径6mmのSUS440cを使用し、加熱圧着しながらパイプへ差し込んであります。
鋼材ごと横穴を開けるのは、布製ラインを使う私の開発した手法です。非常に貫通性能も良く、焼入れの加熱による酸化皮膜を除去して磨きあげ、錆びにくくして有ります。
中型魚を狙うに置いては、すこぶる性能を発揮してくれます。近年、この手法を真似て造った自作物を、個人サイトで数多く見受ける様になりました。
材質は、タングステン&SUS304パイプ。
全長85mm、外径7mmのタングステンカーバイトという、自動車のピストンバルブなどに使われる硬度の高い材質を組み合わせて有ります。
平面部の面積が大きくなると、貫通した後に身への食い込みは軽減されます。その為、大型魚の暴れにも耐え、身切れによるバラシが少ないのが特徴です。
3面カットの銛頭は、貫通性能も高く、大型魚とのやり取りには一番の性能を発揮すると思います。




材質は、タングステン&SUS304パイプ。
先端部のタングステンは、「ミニ」と呼ばれる車から取り外した物を半分にして1本から2個製作できました。
車種も小さく、金物を短くした為、全長75mmと銛先も短くなっておりますが、自然石なら、へこたれない丈夫な銛頭です。テーパー形状は、3面カットと比べ、貫通力が劣り、角度の無い位置から撃ちますと弾かれ易いですが、傷は小さく納まるのが特徴です。
材質は、タングステン&SUS304パイプ。
左同様の銛頭ですが、カットがテーパーでなく、四面カットです。この手の形状は、弾かれ易いという難点も有りますが、メンテナンスが簡単で、潰れた時の削りが手軽に出来るのは利点です。全長75mmで短いですが、硬い材質なので、潰れ難いです。
初級者がメンテナンスするには、この4面形状が好まれます。
主に、根魚を想定した初期の銛頭です。




材質は、焼入れしたマルエージング鋼材。
先輩に材料を提供し、里帰りした完成品を、更に磨いて仕上げをした物です。
焼入れをすると最高硬度を持つ金属とも言われております。
通称マスワンの異名を持つ7mm丸材です。
生材は加工し易いのですが、その後の、加熱処理の温度管理が大変で、専門工場に依頼するしか有りません。
それより何より、とにかく素材の価格がベラボウでして、チタンよりはるかに高い材料です。
材質は、ピアノ線。
7mm丸材から加工したものです。
とにかく素材そのものが高強度なので、穴あけ加工が大変で、通常より5mm浅掘りしてある為、返しも短くなっております。
通常のステンドリルでは刃が直ぐ磨耗する為、COの純度の高いコバルトドリルや超鋼ドリルが活躍します。
但し、海中ではあっと言う間に錆びるので、苦労して仕上げても、悲しい末路となります。
硬いは良いが、考え物の材質です。


材質は、SUS630。
原子炉などの部品にも用いられる高価な材質です。焼きいれも可能な材質ですが、加熱しなくても硬度と粘りがあり、丈夫な物です。
金物としては、焼き入れすると錆び易いが、強度が出るSUS440C、強度は落ちるが錆びないwpb304バネ、そして芯の硬いSUS630、更には、強靭なマルエージング鋼材など他、銛頭の素材選びは、多種多彩で楽しいものです。
左の物と同様の630を四面カットした物で、長さ80mm、外径8mm、縦穴6mm。
非常に粘りが有り、3面カットとあわせ、50本ほど削りましたが、形成には苦労する素材です。縦穴には、6mmのステンシャフトがそのまま使えるので便利です。
外径が太い分、貫通力は劣りますが、3面カットなら、超大物専用の90mmロングにしても、面白い素材と言えます。




材質は、焼き入れ前のSUS440c。
全長80mmは、私の基本サイズです。
上記でも説明して有りますが、貫通性能を向上させる為、7mm外径を横穴部分から6mmに削り込んだ銛先です。

主に、中型魚を狙うには、素晴らしい性能を発揮してくれます。青物から、浮遊中の石鯛、黒鯛、スズキなどがターゲットとなります。傷が小さく納まるのも、この銛頭の特徴です。
材質は、SUSwpb304、いわゆるステンレスバネ鋼材です。
これもまた、貫通性能を向上させる為、7mm外径を横穴部分から6mmに削り込んだ銛頭です。左の440cと比べ、錆び難いのが特徴で、海中で携帯する予備には最適な材質です。

細身で貫通力があり、真鯛の硬い頭でも撃ち抜いてくれます。回遊魚を狙うに置いては、最高な銛頭でしょう。




材質は、焼き入れ前のSUS440c。
手馴れた方々に好まれるのがこの形状です。私が造る銛頭は、極限とも言えるカットの鋭さと、バラシを軽減する為、平面が大きいのが特徴です。
20年以上造り続け、この形状にたどり着きました。
追い撃ちしても弾かれ難く、肉に突き刺さるのも、私が造る3面変則ダイヤカットの大きな特徴と言えます。

材質は、SUSwpb、バネ鋼材。
左同様の性能ですが、違った角度からの説明をします。
カット面に刃を付けてある為、刺さる角度によっては、肉の中の傷が大きくなる事も有りますが、魚突きは、横から頭方向を狙って撃つのが手馴れた方の撃ち方です。
貫通性能の高い銛頭なので、初級者が扱う場合、根魚穴撃ちは避けましょう。
錆に強いので、予備としてお勧めです。




材質は、焼き入れ前のSUS440c。
石ノミやタガネなど、丈夫な形状として古くから伝わるのが4面です。
貫通性能は、3面やテーパーに劣りますが、その点を考慮して、出来る限り鋭利に削りこんで有ります。
焼き入れ可能なので、更にタフな銛頭に変身します。初級者にお勧めの形状です。
材質は、SUSwpb、バネ鋼材。
左同様の形状ですが、通常のSUS304に比べても粘りが有り、丈夫です。
何と言っても錆び難いので、海中で携帯するのは最高な材質です。
主銛に変わり、ここ一発、思い切り撃ち込む事を想定して有り、私も予備に携帯する形状の銛頭です。




材質は、焼き入れしたSUS440c。
私が造るテーパー形状は、貫通力も良く、刺し傷も小さく納まります。
但し、3面と比べると、追い撃ちでは、やはり弾かれる事も有りますので弾かれにくくする為、細めの形状にして有ります。

焼き入れすると硬くなるので、根魚にも対応出来るのが、この手の銛頭です。

私が造るテーパー銛頭は、貫通力を重視した独自な形状です。
材質は、SUSwpb、バネ鋼材。
ショップで販売する一番安価な銛頭です。
初心者が扱うには、4面と並ぶお手軽な銛頭で、小型回遊魚に最適な銛頭です。
以外ですが、メンテナンスの厄介なのがテーパー形状です。
先端が潰れ、丸く削るのが容易でないと思います。
その場合、小さく3面や4面で成型すると良いでしょう。




材質は、焼入れしたSUS440c。
ブラックモンスターと命名した90mmロングタイプが、このバージョン。
画像からお解かりと思いますが、横穴部から先端まで細く削り込んで有り、更に焼入れして硬くなっている為、超大型魚の頭でもエラでも難無く貫通してくれます。
大型のクエの鉄板と呼ばれるエラ部分を貫通させる為に造った銛頭です。
貫通性能は言うまでも有りません。
材質は、焼入れしたSUS440c。
左のブラックモンスターを更に磨きこみ、加熱による酸化皮膜を取り除いた物が、このホワイトモンスター、初期に製作していた物です。440cは、焼入れをすると硬度は上がるが、多少錆易くなります。その為、酸化膜を取り除き、錆を抑制する訳ですが、非常に手間が係ると同時に、磨きにより滑りもよくなり、貫通力も更にUPします。
いかんせ、手間が係りすぎます。




材質は、SUS440c&SUS304パイプ。
初期の90mmロングバージョン、モンスターです。銛先にしてある440cには、焼入れをして硬度をUPして有ります。接着方法は、非常に面倒な過熱圧着の技法を用して接続して有ります。まずもって、外れたりズレたりする事は有りません。この性能を生かしたものが、現在のモンスターバージョンです。
旧モンスターは、長年使い続けております。

材質は、焼入れしたSUS440c。
通常の3面ダイヤカットの大形バージョン、最新のビッグモンスターです。
外径7mm、90mmロングバージョンの為、通常の3面カットより、更に鋭利にし、平面積も大きくして有ります。440cは焼入れして使えば、大型魚の硬い骨も砕いて貫通してくれます。私が造る銛頭の中では、最高峰と言える、バラシの少ない安定した銛頭です。




材質は、ステライト合金&ステンレスバネ鋼。
W7mm/L85mmの仕上がりです。
芯材は、ステライトと呼ばれる特殊合金を採用しましたが、この合金は、とにかく硬くて旋盤で削る事も穴あけ加工する事もできません。コンクリートに打ちつけても潰れません。耐熱性・耐食性にも優れた材質で、とにかく硬くて強靭です。
■但し、どんな鋼鉄でも、ご覧の通りの鋭利に仕上げれば、岩に直撃した際は、多少なりとも潰れる事は言うまでもありません。
材質は、超硬材&ステンレスバネ鋼。
W7mm/L90mmのロングタイプです。
芯材は、ニードルと呼ばれる超硬材を使用しました。
ニードルは、鉄骨の頑固な錆落としやコンクリートのハツリなどで使用するもので、エアー機材に取り付ける為のタガネです。
その使用目的からして、先端部に用いるに最適だと判断し、年に数本造っています。
芯材のニードルは、耐屈折性・耐磨耗性に、非常に優れた素材です。


<初級者の皆様へ、銛頭の取り扱い注意点>

■まず、離頭銛および、その銛頭は、小物根魚を対象に考案された物では有りません。
岩を直撃する物でも有りません。
まして、当店で販売する銛頭や金物が、1番優れているなどと、自我自賛は致しません。
この世界、あるいは国内において、これこそ最高峰とか、これが1番とか、言い切る事など出来ません。
あくまでも、皆様が使って判断して頂く物です。


■焼き入れ加工を施す銛頭は、硬鋼材や超硬材になる為、非常に硬くなりますが、その反面、粘りに劣り先端がかけ易くもなり、錆易くもなります。
また、バネ鋼は通常のステンレスより強度は有りますが、超鋼材では有りません。
しかし、錆にも強い材質です。
こういった事を第一に考えて頂き、ショップにてご購入下さいませ。


私は、多種多彩な金物を使い、形状を変えながら、数千本の銛頭を製作して参りました。
当店で販売する銛頭の形状は、1980年代後期から使ってきた物で、魚突きする環境に応じた選定をする事により、様々な魚種に対応できる品物だと思っております。
しかし、メンテナンスを一定限度として、削って、長さ6cm程に短くなった物は、大物相手ではバラシが多くなるので、小物用に回しましょう。

金物の材質は、様々な物が有ります。
元素配合を主とする特殊鋼など、高額な素材で造ればそれなりの物も出来ます。
しかしながら、強靭な材質で銛頭を造ると、他の部分に、様々な不具合が生じる事もあります。
銛頭の硬さ、長さ、形状、これは長年の潜り経験からの知恵で造っている物で、皆様方も、キャリアを積まれると、私の理念が理解できると思います。
銛頭がどんな材質であっても、確かな経験と技術があれば、長く使えるようになります。

つきなみな説明ですが、魚突きは、真横から頭部付近や、身の硬い部分を狙って撃つのが基本です。
角度の無い位置から撃てば、弾かれ易く、たとえ魚にくい込んだとしても、中の傷の範囲が大きくなってしまいます。
したがって、銛先形状によっては、身切れや弾きなど、様々な弊害も起こりえますが、この点を技術でカバーする事は言うまでも有りません。
生半可なスキルやノウハウを持つと、机上の能書きも多くなりますが、様々な失敗は、そんな経験から伝達できる事だと思います。
まずは、成功より、失敗をスキルとして磨く事だと思います。

突き師にとって、狙う魚の性格、性質、体質を知る事も重要となります。
皆様は魚図鑑をお持ちでしょうか。
まずは、自分の潜る海域の魚を観察して、魚種を知る事から始めてみてはいかがでしょう。
共に精進して、大物との出会いを共に夢見ようでは有りませんか。それも楽しい物です。









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